・・・・ の在る理由
Macintosh において、ラウンドレクト (角丸四角形)はプリミティブ(基本図形)になっている。
以下の文章によるとそれはジョブズという人のせいらしい。

クイックドローが生成する形状としてどういった形を「基本図形(プリミティブ)に含めるかを議論していたときのことを、アトキンソンが話してくれたことがある。円、楕円、四角形は入れることが決まっていたが、四角形の角をとって丸くした形(角丸四角形)は入れないことになっていた。ジョブズはこれに強く反対し、アトキンソンを屋外に連れ出して駐車場まで連れて行き、縁石や駐車禁止標識などに驚くほどの数の角丸四角形があることを示して翻意を促した。その後アトキンソンは、この形状を過小評価していたことを思い知ることになる。この形状はクイックドローのプリミティブとなったが、それを後悔することは一度もなかった。現在この角丸四角形はダイアログボックスやボタンに頻繁に使われている。

"Insanely Great:The Life and Times of Macintosh, The Computer That Changed Everything"/ Steven Levy
「マッキントッシュ物語」スティーブン・レヴィ 武舎広幸訳 翔泳社

ジョブズという人に会ったことはないが、なかなか面白い人だ。
なぜなら、ふつうラウンドレクトをコンピュータの基本図形にしないことに
「強く反対」したりしないから。

ともあれ、Macintosh というコンピュータはこんな次第で
ラウンドレクト的なコンピュータとなったみたいだ。

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質問:「あなたはなぜ Macintosh を選んだのですか?」

「んー、ラウンドレクトがクイックドローのプリミティブだったからかなあ」
こう回答する人はいないかもしれないが、
「なーんだかラウンドレクトなところにひかれて。」
という人くらいはいるだろう。
いないかな。でもどんな回答の中にも、
「ラウンドレクトエキス」のようなものが無意識に含まれている確率はかなり高いと思うのだ。

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ラウンドレクトを使うことで安易なラウンドレクトムーブメントに同調することを拒む人もいるだろう。
ラウンドレクトが消費されすぎて、素直に使うことができないのだ。
十分な真摯さがあれば、それを使うことなくラウンドレクトスピリットそのものへ近付くことができるはずだ、
と考えるのだ。
私たちはそういう誠実さを持った人が好きだ。ウィー・ラブ・ユー。

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しかし私たちは、むしろラウンドレクトはもっと消費されてもいいのではないか、
と考えた。

ビットマップオブジェクトをラウンドレクト化するのは「意外とてま」だから。
例えば、デジタルカメラの写真のサムネイルを全て角丸四角形にして
ホームページに並べるとき。
Adobe 社の Illustrator と Photoshop を組み合わせればできる。(今は Photoshop だけでもできるのかな。)
が、ちょっと頭を使うし、
だいいちコンピュータがあらかじめサポートしている基本図形を扱うのに
いちいち Illustrator や Photoshop を起動するなんておおげさというもの。
また、毎回サイズが違うかもしれないイメージを扱うのはめんどくさい。

ジョブズならこう考えるだろう。
もっとかんたんに、大量のラウンドレクト(角丸四角形)を作れるようにするべきだ、
少なくとも Windows よりは。

私たちもそう考えた。
かんたんに、自動的に、どんどんラウンドレクト(角丸四角形)を作れていいぞ。
コンピュータを使うというのはそういうことなんだから。
アトキンソンという人もきっとそう考えるんじゃないかな、と。

これがこのソフトウェアの在る理由です。

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